ソラノヲト 第九話「台風一過・虚像ト実像」

第三記


当初期待していたベクトルからは完全に逸れた「ソラノヲト」だけれども、一応見続けていられるのは吉野弘幸のテクストの策謀なのかしら。

題名からは梨旺メインで、戦争という神話を未だ信じることができる彼方、暮羽、乃絵留が理想の崩壊を経験し、現在を肯定できない梨旺、フィリシアに現実を叩き込まれて、唯一の大人の男であるクラウスがさらに諭すみたいな展開かと思っていたのだが、実際見てみればクラウスが実はギャルゲーのダメ男設定だったとかいう草食非難だった。
このままのこり話数で歴史に触れずに収束するつもりなの……か……?

ところで「こじか」にしろ「はなまる」にしろ女の子3人組といえば、天然、元気、クールの組み合わせがデフォ。ソラノヲトも例に漏れずこれに合致する訳だが、ポストからみればクラウスは青木、土田つまり先生ポジションにあたる。
女の砦に出入りするのはまたもや年上の男性な訳だが、その実、中身は上のような軟弱系男だったとするならば、これこそがソラノヲトのすべてなのかも知れない。

つまり吉野弘幸の「女の子の日常をみてみたい」という意味はその主体を意識的にオブジェクションすることでこういったネタを終焉に導くということなのだろう。
そういった意味でアメリカと日本のミックスカルチャーに究極的に浸食されたヨーロッパを舞台にしていることは、アニメノチカラ押井守的な円環構造を持つであろうことの示唆のようにも思える。


明日の抱負
ダンスインザバンパイアバンドを見るか、怪談レストランを見るか、はたまたなでこスネイクを見るのか。
兎にも角にもその前に科目登録が最優先事項です。