プラネテス

第七記


2003年10月から2004年4月まで2クールにわたって放送された
谷口悟朗監督シリーズの一つ。
重心や真空の表現は細部までこだわっていて、光の屈折率まで感じられるほどの世界観が確立されている。
高度に発達した技術と、それとは対照的に変わらない、様々な環境で生きる人々の感情が
生々しく感じられて、内面的にも毎回深く心に残るモノがある。
個人的にはアニメにおけるリアリズムの完成型といって良いのではと思う。
最近は「アップルシード」、「ベクシル」などの3DCGを駆使したアニメーションが莫大な費用をかけて
作られたが、どうもベクトルが違う気がしてならない。
少なくとも「絶チル」や「グレンラガン」にみられるようなタイムシートを切って
キャラクターをanimateするジャパニメーションのブランドではないことは確かである。

谷口監督といえば、私がアニメを意識して初めて見た作品が「スクライド」であった。
以来「ガンソード」「コードギアス」と引き出しの多さを見せつけると同時に、
常に市場と自身のクリエイティビティの交渉の上手さを印象づけられる。


リアリティと言えば、最近はフォトショップなどの映像加工ツールを用いた背景がよく見られる。
実写とアニメーションとの違いは見る側の補完する領域のレヴェルだと考えているが、
実写の素材を使えば使うほど、自身の体験と記憶に置き換えて補完しやすくなる。
アニメに限らずドラマをみるとき、ヒトは必ず自分の立ち位置を持つ。
それは2.5次元にならえば3.5次元とでも呼べるだろうか、ともかくこの立ち位置をいかに決めるか
また決められるかはドラマの価値そのものと言っても過言ではない。
これは自身の過去のドラマでもまったく変わらない、過去からすべてのドラマが生まれているのだから。


明日の抱負
明日は模試があるので。  寝る